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医療機器分野の特許取得の状況について(6月~8月)

 2019年6月~2019年8月に発行された特許公報(2019年6月13日~2019年8月14日の期間に発行された公報)を調べてみました(2019年8月18日時点)。
 
医療機器分野の特許公報(FIがA61Bの特許公報)は985件でした。
筆頭FIがA61Bの内訳(上位11位)は以下の様になっています。
 
FI
説明
件数
A61B 5
診断のための測定または記録方法または機器;個体の識別
255
A61B 17
手術用機器または方法 手術
126
A61B 6
放射線診断用機器,例.放射線治療と結合している装置
111
A61B 8
超音波,音波または亜音波を用いることによる診断
77
A61B 1
視覚または写真的検査による人体の窩部または管部の診断を行うための機器;そのための照明装置;内視鏡
71
A61B 3
目の検査装置;目の診察機器
44
A61B 18
非機械的な形態のエネルギーを、身体へ、または身体から伝達する手術用機器、器具または方法
31
A61B 34
コンピュータ支援手術
29
A61B 10
他の診断法または診断機器,例.診断ワクチン接種用機器;性の決定;排卵期の決定;咽喉をたたく器具
19
A61F 2
状態を維持または閉塞を防止する装置
13
A61N 1
電気治療;そのための回路
10
 
 
今回も、A61B5 「診断のための測定または記録方法または機器;個体の識別」の登録件数が最も多く、255件の登録がされており、次いでA61B 17 「手術用機器または方法 手術」が126件、続いてA61B 6 「放射線診断用機器,例.放射線治療と結合している装置」が111件、A61B8「超音波,音波または亜音波を用いることによる診断」(77件)、A61B1 「視覚または写真的検査による人体の窩部または管部の診断を行うための機器;そのための照明装置;内視鏡」(71件)となっていました。
 
今回の期間における、上位の特許権者の内訳は下表のとおりとなっています。
 
出願人
件数
割合
コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
66
6.7%
キヤノンメディカルシステムズ株式会社
54
5.5%
オリンパス株式会社
46
4.7%
キヤノン株式会社
42
4.3%
富士フイルム株式会社
29
2.9%
インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
20
2.0%
バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
17
1.7%
ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
16
1.6%
コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
16
1.6%
株式会社日立製作所
16
1.6%
エシコン エルエルシー
15
1.5%
株式会社トプコン
14
1.4%
株式会社島津製作所
13
1.3%
日本電信電話株式会社
11
1.1%
富士通株式会社
10
1.0%
コニカミノルタ株式会社
10
1.0%
その他
590
59.9%
Total
985
 
 
 また、A61B 34(コンピュータ支援手術)が29件となっており、da Vinciの製造元であるインテュイティブサージカルオペレーションズ,インコーポレイテッドの登録件数も20件となっています。
 前回確認した際にも、A61B 34(コンピュータ支援手術)の登録件数は比較的多く(17件)、またインテュイティブサージカルオペレーションズ,インコーポレイテッドも登録件数の上位となっていました。やはりこの分野は、成長が見込まれる分野なのだと思います。
 ご参考までに、今回登録となったインテュイティブサージカルオペレーションズ,インコーポレイテッドの公報は以下のとおりです。
 
出願日
特許
番号
登録日
公報
発行日
異議申
立期限
発明名称
2015/08/20
6548730
2019/07/05
2019/07/24
2020/1/24
画像誘導処置における病理学的データの表示のためのシステム及び方法
2015/07/27
6542871
2019/06/21
2019/07/10
2020/1/10
患者の体壁力を測定するセンサを備えるカニューレ
2015/08/12
6560338
2019/07/26
2019/08/14
2020/2/14
可変入口ガイド構成を有する外科用システム
2015/02/19
6559691
2019/07/26
2019/08/14
2020/2/14
ロボットアームの手動の動きによって制御される外科取付けプラットフォームの限定的な移動
2016/09/12
6556677
2019/07/19
2019/08/07
2020/2/7
手術器具のための受動的事前負荷およびキャプスタン駆動
2015/03/17
6554478
2019/07/12
2019/07/31
2020/1/31
手術器具を遠隔操作アクチュエータと係合させる方法
2015/03/17
6553633
2019/07/12
2019/07/31
2020/1/31
マニピュレータ上の手術器具及びアダプタの存在を決定する検出ピン
2014/08/13
6553607
2019/07/12
2019/07/31
2020/1/31
プリロードをかけられた手術器具インタフェース
2018/03/20
6553232
2019/07/12
2019/07/31
2020/1/31
冗長な閉鎖機構を有するエンドエフェクタ
2016/06/10
6552642
2019/07/12
2019/07/31
2020/1/31
不整列時のマスターとスレーブと間の向きマッピング
2015/03/17
6548662
2019/07/05
2019/07/24
2020/1/24
処置中再始動の間の器具制御入力位置/向きの回復
2015/03/17
6542252
2019/06/21
2019/07/10
2020/1/10
遠隔操作医療システムにおける器具のオフスクリーン表示のためのシステム及び方法
2014/03/18
6541640
2019/06/21
2019/07/10
2020/1/10
ソフトウェア構成可能なマニピュレータ自由度
2017/08/25
6538129
2019/06/14
2019/07/03
2020/1/3
手術システム用の器具運搬アセンブリ
2015/03/17
6537523
2019/06/14
2019/07/03
2020/1/3
ツールの姿勢を維持するシステム及び方法
2016/11/24
6535648
2019/06/07
2019/06/26
2019/12/26
締付け予測を表示するためのシステム
2015/03/17
6534680
2019/06/07
2019/06/26
2019/12/26
モード移行において振動を減衰させる指令形成
2014/07/25
6532464
2019/05/31
2019/06/19
2019/12/19
冗長センシングを伴う形状センサシステム
2015/03/17
6554113
2019/07/12
2019/07/31
2020/1/31
防振装置を含む車輪付きカート、並びに関連するシステム及び方法
 
 
 今回、日本電信電話株式会社(NTT)が14位に入っています。
NTTは、以前からNTTグループとして、ICTを活用した地域医療の質向上など、医療に関するさまざまな研究やソリューションの提供を行っているとのことで、例えばNTTデータでは、2007年にヘルスケアシステム事業部を設置するなどして、医療・ヘルスケア分野へのICT導入の支援等を行ってきているようです。
 業務の効率化、あるいは医療機関の間の連携の促進等を目的として、医療分野へのICT技術の導入は以前から国の施策としても謳われており、注目されている分野の一つであると言えます。
 
 
 
 一方、今回のNTTの特許を確認すると、睡眠状態の確認に関するもの(特許第6559095号、特許6550257号)、呼吸検出や心拍数など生体情報の処理に関するもの(特許第6554422号、特許第6538620号、特許第6535589号、特許第6535589号)、生体情報から被検者の運動量などの状態を推定するもの(特許第6554426号、特許第6554421号)など、収集した生体情報に基づいた発明が多くされていることが分かります。ICT技術を用いた医療機関等における医療情報の共有といった技術から更に踏み込んだ、収集した生体情報を利用する技術に踏み込んだ技術の開発がされているようです。
 
出願日
特許
番号
登録日
公報
発行日
異議申
立期限
発明名称
要約
2016/
06/15
6559095
2019/
07/26
2019/
08/14
2020/
2/14
睡眠モデル作成装置、睡眠段階推定装置、方法およびプログラム
【課題】心拍が脳活動以外の影響を強く受けた場合でも睡眠段階を正確に推定すること。
【解決手段】睡眠心電図の集合から心拍変動特徴量を得る心拍変動特徴量算出部11と、心拍変動特徴量を睡眠段階別に集計した心拍変動情報を記憶する心拍変動テーブル211と、心拍変動特徴量の偏差から心拍変化値特徴量を得る心拍変化値特徴量算出部12と、心拍変化値特徴量を睡眠段階遷移別に集計して記憶する心拍変化値特徴量テーブル212と、睡眠心電図の時間軸を時間帯毎に心拍変化値特徴量によりモデル判定するモデル判定部1314と、時間帯毎、モデル毎に、睡眠段階の出現頻度を得る時間・モデル別睡眠段階出現頻度解析部10A3と、時間・モデル別の出現頻度情報を記憶する出現頻度テーブル213と、各時間帯毎に睡眠段階の遷移の頻度を得る時間別睡眠段階遷移頻度解析部10A4と、得た遷移頻度情報を記憶する遷移頻度テーブル214とを備える。
2016/
02/15
2019/
07/12
2019/
07/31
2020/
1/31
運動強度推定装置、運動強度推定方法、プログラム
【課題】建設作業員等、動きの小さい動作を含む複数の動作が発生する状況で、高精度に運動強度を推定することが可能になる運動強度推定装置を提供する。
【解決手段】被験者の複数種類の動作のそれぞれに応じた運動強度PAと心拍数HRと3軸加速度(AccX,AccY,AccZ)とを対応付けた運動強度:心拍数:加速度DB12cを予め記憶する。推定手法(1)では、推定対象者の心拍数HR´を心電センサにより計測して入力し、前記DB12cから当該入力された推定対象者の心拍数HR´に対応した心拍数HRと運動強度PAとを選択して抽出する。そして、前記DB12cから抽出された心拍数HRと運動強度PAとの関係を示すパラメータβ0,β1を算出し、前記入力された推定対象者の心拍数HR´と前記算出されたパラメータβ0,β1に基づいて、前記推定対象者の運動強度PAeを回帰分析して算出する。
2016/
01/07
6554422
2019/
07/12
2019/
07/31
2020/
1/31
情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
【課題】効果的にユーザの情動を推定することができる情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムを提供する。
【解決手段】ユーザの情動を推定する情報処理装置100は、取得部と、開始点検出部111と、終了点検出部112と、情動推定部と、を備える。取得部は、ユーザの心拍数及び呼吸数を取得する。開始点検出部111は、心拍数及び呼吸数に基づいて、ユーザの情動の開始点を検出する。終了点検出部は、心拍数及び呼吸数に基づいて、ユーザの情動の終了点を検出する。情動推定部は、開始点と終了点との間に生じた情動を推定する。
2016/
01/06
6554421
2019/
07/12
2019/
07/31
2020/
1/31
情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
【課題】効果的にユーザの心理状態の変化を推定することができる情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムを提供する。
【解決手段】ユーザの心理状態の変化を推定する情報処理装置100は、特徴量算出部111と、心理変化推定部112と、を備える。特徴量算出部111は、ユーザの心拍の特徴量と呼吸の特徴量とを算出する。心理変化推定部112は、心拍の特徴量と呼吸の特徴量との類似度に基づいて、ユーザの心理状態の変化を推定する。
2016/
11/25
6553741
2019/
07/12
2019/
07/31
2020/
1/31
呼吸推定方法および装置
呼吸推定方法は、被験者の心機能に関する第1のデータの時系列信号と被験者の呼吸運動による加速度に関する第2のデータの時系列信号の各々から被験者の呼吸数をそれぞれ推定する第1のステップ(S107)と、第1のデータから推定した呼吸数と第2のデータから推定した呼吸数の各々についてカルマンフィルタによりノイズを濾した呼吸数をそれぞれ推定する第2のステップ(S108)と、この第2のステップで得られた複数の呼吸数の推定値の重み付け平均化処理を実行する第3のステップ(S109)とを含む。
2015/
04/13
6550257
2019/
07/05
2019/
07/24
2020/
1/24
睡眠状態表示装置、方法及びプログラム
【課題】ユーザの負担を軽減しつつ、直感的に把握可能な睡眠状態を表示する。
【解決手段】睡眠状態表示装置1は、記憶部10、睡眠情報入力部20、睡眠段階推定部30、睡眠変数算出部40、表示画像生成部50、及び睡眠状態表示部60を備える。睡眠状態表示装置1は、予め記憶部10に記憶された複数の要素画像を含む画像に基づき、睡眠状態を表示する。睡眠情報入力部20は、生体情報及び体動情報を含む睡眠情報を入力する。睡眠段階推定部30は、上記入力された睡眠情報に基づき、複数の睡眠段階を睡眠時間と関連付けて推定する。睡眠変数算出部40は、上記推定された各睡眠段階の睡眠時間の長さ及び全体の睡眠時間の長さを含む複数の睡眠変数を算出する。表示画像生成部50は、上記算出された各睡眠変数に基づき、上記基準画像から表示画像を生成する。睡眠状態表示部60は、上記生成された表示画像を上記睡眠状態として表示する。
2016/
07/19
6546129
2019/
06/28
2019/
07/17
2020/
1/17
影響マップ作成装置、その方法、及びプログラム
【課題】視覚を含む様々な知覚で提示される情報から影響を受けている対象者を推定し、提示情報の影響を可視化することができる影響マップ作成装置、その方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】影響マップ作成装置は、異なる周期Tnで変化する提示情報infnが提示部nにより対象者に提示されるものとし、N個の周期Tnと対象者の脳波データとに基づき、N個の提示部nのうちの何れの提示部によって提示された提示情報に影響を受けているかを推定する影響対象推定部と、対象者の位置と、その対象者に影響を与えた提示部とを表示する影響マップ作成部とを含む。
2016/
07/21
6538620
2019/
06/14
2019/
07/03
2020/
1/3
呼吸推定方法および装置
【課題】心電図波形にノイズが加わっている場合でも、適切に呼吸情報を抽出する。
【解決手段】呼吸推定装置は、心電図波形のサンプリングデータ列からサンプリングデータの時間差分値を算出する時間差分値算出部3と、時間差分値の最大値と最小値との差である差分RS振幅を検出する差分RS振幅検出部4と、差分RS振幅の時系列データに対して再サンプリング処理を行う再サンプリング処理部5と、再サンプリング処理後の時系列データを周波数解析して差分RS振幅の周波数スペクトルを求める周波数解析部7と、差分RS振幅の周波数スペクトルから被験者の呼吸周波数を抽出する呼吸周波数推定部8とを備えている。
2015/
12/10
2019/
06/07
2019/
06/26
2019/
12/26
脈波伝播時間変化推定方法、脈波伝播時間変化推定装置、及びプログラム
【課題】独立した心電位センサ及び脈波センサからの心電位信号及び脈波信号に基づき脈波伝播時間の変化の推定を可能にする脈波伝播時間変化推定方法を提供すること。
【解決手段】脈波伝播時間変化推定方法は、時刻情報に対応する心電位データ及び脈波データから特徴量を検出し、前記心電位データ及び前記脈波データの特徴量から前記心電位データ及び前記脈波データの相関性を検出し、前記相関性に基づき脈波伝搬時間の変化を推定する。
2015/
11/06
6535575
2019/
06/07
2019/
06/26
2019/
12/26
生理指標検出装置、生理指標検出方法、生理指標検出処理プログラム
【課題】固定的な閾値を用いることなく、生理指標を精度よく検出する装置を提供する。
【解決手段】生体信号からの検出対象となる生理指標の既知の特徴に基づいて、生体信号におけるテンプレートの波形を算出する第1の算出手段と、複数の所定期間内における生体信号の波形と算出したテンプレートの波形との類似性を示す値、および、複数の所定期間内における前記生体信号の大きさのばらつきを示す統計値を算出する第2の算出手段と、算出した類似性を示す値の大きさに基づいて、複数の所定期間内における生体信号から検出対象となる生理指標の候補を検出する検出手段と、検出手段により検出した候補について算出した統計値が所定の条件を満たす場合に、この候補を検出対象となる生理指標として決定する決定手段とを有する。
 
 
※ 平成27年4月1日より平成26年改正法が施行され、特許掲載公報発行の日から6ヶ月以内に特許異議申立をすることが可能です(平成27年4月1日以降に発行された公報が対象)。
※ 登録異議申立は誰でもすることが可能です。(なお、名古屋国際特許業務法人では、登録異議申立のための調査、登録異議申立の手続をお引き受けしております。ご関心のある方はyamakoshi@patent.gr.jpまでご連絡ください。)

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プロフィール

山越 淳

Author:山越 淳
弁理士&行政書士であって医療機器の薬事業務の経験もある筆者が、主に医療機器の知財及び医薬品医療機器等法の情報などを提供します。
なお、タイトルの”薬事”ですが、実は法改正されて現在の法律の名称は、医薬品医療機器等法(正確には医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)です。
あまりに長くて、馴染みもあまりないので”薬事”としています。

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