FC2ブログ

記事一覧

医療機器分野の特許取得の状況について(8月~9月)

2019年8月~2019年9月に発行された特許公報(2019年8月15日~2019年9月10日の期間に発行された公報)を調べてみました(2019年9月10日時点)。
 
医療機器分野の特許公報(FIがA61Bの特許公報)は345でした。
筆頭FIがA61Bの内訳(上位11位)は以下の様になっています。
 
FI
説明
件数
A61B 5
診断のための測定または記録方法または機器;個体の識別
81
A61B 17
手術用機器または方法 手術
47
A61B 6
放射線診断用機器,例.放射線治療と結合している装置
39
A61B 1
視覚または写真的検査による人体の窩部または管部の診断を行うための機器;そのための照明装置;内視鏡
31
A61B 8
超音波,音波または亜音波を用いることによる診断
29
A61B 3
目の検査装置;目の診察機器
17
A61B 18
非機械的な形態のエネルギーを、身体へ、または身体から伝達する手術用機器、器具または方法
10
A61B 34
コンピュータ支援手術
9
 
 
今回も、A61B5「診断のための測定または記録方法または機器;個体の識別」の登録件数が最も多く、81件の登録がされており、次いでA61B 17 「手術用機器または方法 手術」47件、続いてA61B 6「放射線診断用機器,例.放射線治療と結合している装置」が39件、A61B1「視覚または写真的検査による人体の窩部または管部の診断を行うための機器;そのための照明装置;内視鏡」が31件、A61B8「超音波,音波または亜音波を用いることによる診断」が29件となっていました。
 
今回の期間における、上位の特許権者の内訳は下表のとおりとなっています。
出願人
件数
割合
キヤノン株式会社
23
6.7%
キヤノンメディカルシステムズ株式会社
21
6.1%
オリンパス株式会社
19
5.5%
コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
18
5.2%
富士フイルム株式会社
13
3.8%
株式会社島津製作所
8
2.3%
株式会社トプコン
7
2.0%
その他
236
68.4%
Total
345
 
 
 
 登録件数の順位は、キヤノン株式会社キヤノンメディカルシステムズ株式会社オリンパス株式会社コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ(Philips)、となっています。
 
 ここ最近、オリンパスかフィリップスが1番になることが多かったのですが、今回、はキャノンであったため、参考までにキヤノン株式会社の特許(23件)の内訳を確認してみました。
 
FI
説明
件数
A61B 8/13
超音波,音波または亜音波を用いることによる診断
・断層撮影
7
A61B 6/00
放射線診断用機器
6
A61B 3/10
眼の検査装置;眼の診察機器
・客観型,すなわち患者の知覚または反応と無関係に眼を検査する装置
5
H04N 5/32
テレビジョン方式の細部
・光または類似信号から電気信号への変換・・X線の変換
2
H04R 19/00
スピーカ,マイクロホン,蓄音機ピックアップまたは類似の音響電気機械変換器;補聴器;パブリックアドレスシステム静電型変換器
1
A61B 3/14
眼の検査装置;眼の診察機器
・・眼の写真撮影用に特に適合した装置
1
A61B 6/03
放射線診断用機器
・放射線透視診断用機器・・計算による断層撮影装置
1
 
 
 患者データや、画像データの処理を行う技術分野の発明が多いのかと思っていたのですが、意外にも、超音波に関する出願が一番多くなっていました。(超音波画像診断装置だと、キャノンメディカルになるかと思っていたので、ちょっと意外でした。)
 今回登録となった超音波に関する特許(A61B 8/13)の内、キヤノン株式会社とキヤノンメディカルシステムズ株式会社の特許について確認してみると、キヤノン株式会社の特許は、いずれも光音響効果を用いた光音響撮像装置(光音響トモグラフィー)に関するものであり、キヤノンメディカルシステムズ株式会社の方は、所謂超音波画像診断装置に関するものであることが分かりました。
 ここで光音響効果とは、光源から発生したパルス光を被検体に照射し、被検体内で伝播・拡散した光の吸収によって音響波(光音響波)が発生するという現象で、光音響トモグラフィーとは、この光音響効果によって得られた信号から、生体内の吸収体となる内部組織をイメージングする技術のことで、受信した音響波の時間による変化を複数の場所で検出し、得られた信号を数学的に解析処理して、被検体内部の吸収係数など光学特性に関連した情報を三次元で可視化することができるとのことです。
 少し調べたところ、革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の中に、「イノベーティブな可視化技術による新成長産業の創出」として、リアルタイム三次元可視化技術に関するものがありましたので、恐らく、これに関連したものなのではないかと推察されます。
 
 
 
 
 
キヤノン株式会社
出願日
特許番号
登録日
公報
発行日
異議申立期限
発明名称
要約
2016/
12/27
6570508
2019/
08/16
2019/
09/04
2020/
3/4
情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
【課題】光音響データの種類に応じて圧縮データを生成することができる装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、被検体に光を照射することにより得られる光音響信号に基づいて生成される光音響データを取得し、同一の前記光音響信号に基づいて取得された光音響データの種類に応じて光音響データを圧縮した圧縮データを取得し、圧縮データを外部装置に出力する。
2015/
08/27
6570375
2019/
08/16
2019/
09/04
2020/
3/4
音響イメージング装置
【課題】音響イメージング装置の探触子の周囲の湿度の上昇又は水の付着により、探触子が正常に動作しなくなることを防止する音響イメージング装置の提供。
【解決手段】被検体から発生した音響波を受信する複数の探触子18が配置された下方に向けて凹んだ凹部を有する探触子アレイ17を備え、探触子18の出力に基づいて画像を生成する画像生成部を備えた音響イメージング装置であって、探触子アレイ17の内側には、インピーダンスマッチング液が配置され、液槽とカバー部材19とにより複数の探触子18が収納される収納空間が形成されるように、探触子アレイ17を受信面の反対側から覆い液槽に接続されるカバー部材19をさらに有し、探触子18は受信した音響波に基づいて電気信号を出力する信号配線180を備え、信号配線180は、防水機構200を介して、収納空間から外部へ取り出されている。
2015/
08/26
6570373
2019/
08/16
2019/
09/04
2020/
3/4
被検体情報取得装置
【課題】音響マッチング液を交換することなく、音響マッチング液の劣化を抑制可能な被検体情報取得装置を提供する。
【解決手段】被検体からの音響波を受信して電気信号を生成する複数の検出素子、および、複数の検出素子を支持する容器状の支持体を備える受信器と、音響マッチング液を保存するタンクと、タンクと、受信器に設けられた注水口および排水口のそれぞれとを接続する流路を備え、音響マッチング液の流れを制御する水循環系と、音響マッチング液に紫外線を照射するUV照射装置と、電気信号を用いて被検体内部の特性情報を生成する処理部を有する被検体情報取得装置を用いる。
2018/
04/13
6567124
2019/
08/09
2019/
08/28
2020/
2/28
被検体情報取得装置
【課題】被検体の同一部位を同一方向から観察し比較することを可能とする技術を提供する。
【解決手段】被検体からの音響波を受信するプローブと、被検体の解剖学的特徴点のうち少なくとも3つの位置を検出する位置姿勢検出ユニットと、を含む測定ユニットと、プローブが受信した音響波を用いて被検体内の特性情報を取得する情報処理装置を備える被検体情報取得装置を用いる。
2018/
09/05
6563097
2019/
08/02
2019/
08/21
2020/
2/21
被検体情報取得装置
【課題】光音響効果を利用した被検体情報取得装置において、システム規模の増大を招くことなく、短時間で多数の受信方向や受信位置での情報を取得可能な、アーチファクトを低減し得る被検体情報取得装置を提供することを目的とする。
【解決手段】所定数のパルス列によって符号化された光パルスを被検体に照射する光源と、光パルスの照射を受けて被検体から発生する光音響波を受信して電気信号を出力する変換素子を備えるプローブと、変換素子が出力する電気信号を、所定数使用して復号化し、復号化された電気信号に基づいて被検体の特性情報を取得する情報取得手段とを有し、光照射は、前記所定数の光パルス列を照射し終える前に、プローブが備える変換素子と被検体との相対位置を変化させながら行われ、変換素子と被検体との相対位置の変化の前後において、復号化に使用される電気信号が互いに一部重複させる。
2015/
09/29
6562800
2019/
08/02
2019/
08/21
2020/
2/21
処理装置および処理方法
【課題】異なる周波数感度特性を持つ複数の音響検出器を用いた際に、良好な再構成画像を取得する被検体情報取得装置を提供する。
【解決手段】被検体情報取得装置は、被検体からの光音響波を検出する、第一の周波数感度特性を有して第一の電気信号を出力する第一の音響検出器Aおよび第二の周波数感度特性を有して第二の電気信号を出力する第二の音響検出器Bと、複数の音響検出器が出力した電気信号に基づいて被検体情報を表す画像データを生成する情報処理部と、音響検出器から出力された電気信号または情報処理部が生成した画像データを補正する、第一および第二の周波数感度特性から得られる第三の周波数感度特性に基づいて、電気信号用の補正関数または画像データ用の補正画像フィルタを作成する信号処理部を有する。
2015/
05/19
6562712
2019/
08/02
2019/
08/21
2020/
2/21
被検体情報取得装置
【課題】光音響波を用いて被検体内の特性情報を取得する装置において、電源投入時の突入電流を調整して電源の電流容量を低減できる装置を提供する。
【解決手段】光源6からの光の照射を制御する光源制御部5と、光を照射された被検体から発生する音響波を受信する検出部10と、音響波を用いて被検体内の特性情報を取得する情報処理部12と、検出部10と被検体の相対位置を変化させる走査制御部2と、を有する被検体情報取得装置であって、被検体情報取得装置が使用する電気を供給する電源部と、被検体情報取得装置に流れる電流値が電源部の電流容量を超えないように、光源制御部5および走査制御部2の起動タイミングを制御する電源制御部1と、をさらに有する被検体情報取得装置を用いる。
 
 
キヤノンメディカルシステムズ株式会社
出願日
特許番号
登録日
公報発行日
異議申立期限
発明名称
要約
2016/
01/22
6571547
2019/
08/16
2019/
09/04
2020/
3/4
超音波診断装置
【課題】例えばエラストグラフィーによる超音波画像診断を、高い信頼性をもって比較的簡単に行うことができる超音波診断装置等を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、超音波診断装置は、検出部及び処理部を具備する。検出部は、アクティブ状態の超音波プローブの放置を検出する。処理部は、前記超音波プローブからの出力に基づいて第1の画像を生成し、前記第1の画像とは異なる第2の画像を表示し、前記第2の画像上に前記第1の画像を所定の不透明度で表示する制御モードの起動中において、前記検出部によって前記超音波プローブの放置が検出された場合、前記第1の画像を生成せず、前記第2の画像を表示する制御、前記第1の画像を生成する一方で、前記第1の画像を表示せず、前記第2の画像を表示する制御、又は、前記第1の画像を生成し、前記第2の画像を表示し、前記第2の画像上に前記第1の画像を前記所定の不透明度より低い不透明度で表示する制御、を実行する。
2015/
09/29
6566816
2019/
08/09
2019/
08/28
2020/
2/28
医用画像処理装置、医用画像診断装置、医用画像処理方法および超音波画像処理方法
【課題】医用画像における所定構造物の動きの解析精度を向上させることを可能にする医用画像処理装置、医用画像診断装置、医用画像処理方法および超音波画像処理方法を提供する。
【解決手段】医用画像処理装置100は、設定部101と、追跡部102,103と、算出部103とを備える。設定部は、複数の医用画像のうち少なくとも1つに対して第1の関心部を設定する。追跡部は、複数の医用画像間における第1の関心部の動きを追跡する第1の追跡処理と、複数の医用画像間における第1の関心部とは異なる第2の関心部の動きを追跡する第2の追跡処理とを実行する。算出部は、第1の追跡処理の結果及び第2の追跡処理の結果を用いて第1の関心部に対する第2の関心部の動きを算出する。
2015/
03/25
6566675
2019/
08/09
2019/
08/28
2020/
2/28
超音波診断装置、画像処理装置および画像処理方法
【課題】解析や診断に要する時間を削減するとともに解析や診断の精度を向上させる。
【解決手段】実施形態の超音波診断装置は、第1取得部と第1生成部と第2生成部と表示制御部とを備える。第1取得部は、1つ以上の時相の、心臓を含む3次元の超音波画像を取得する。第1生成部は、3次元の超音波画像において、心房または心室である第1部位への血液の流入および第1部位からの血液の流出のうちの何れか一方を行うための第2部位を通る第1軸を含み、かつ、第1部位への血液の流入および第1部位からの血液の流出のうちの何れか他方を行うための第3部位を含む3次元の超音波画像の断面を示す第1断面像を生成する。第2生成部は、第1断面像上で、第3部位を通る第2軸を含み、かつ、第1断面像に交わる3次元の超音波画像の断面を示す第2断面像を生成する。表示制御部は、第1断面像と第2断面像を表示する制御を行う。
 
※ 平成27年4月1日より平成26年改正法が施行され、特許掲載公報発行の日から6ヶ月以内に特許異議申立をすることが可能です(平成27年4月1日以降に発行された公報が対象)。
※ 登録異議申立は誰でもすることが可能です。(なお、名古屋国際特許業務法人では、登録異議申立のための調査、登録異議申立の手続をお引き受けしております。ご関心のある方はyamakoshi@patent.gr.jpまでご連絡ください。)
 

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

山越 淳

Author:山越 淳
弁理士&行政書士であって医療機器の薬事業務の経験もある筆者が、主に医療機器の知財及び医薬品医療機器等法の情報などを提供します。
なお、タイトルの”薬事”ですが、実は法改正されて現在の法律の名称は、医薬品医療機器等法(正確には医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)です。
あまりに長くて、馴染みもあまりないので”薬事”としています。

所属事務所

最新コメント