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医療機器分野の特許取得の状況について(12月~2月)

 2017年12月~2018年2月に発行された特許公報(2017年12月18日~2018年2月15日の期間に発行された公報)を調べてみました(2018年2月21日時点)。
医療機器分野の特許公報(FIがA61Bの特許公報)は403件でした。
筆頭FIがA61Bの内訳(上位8位)は以下の様になっています。
 
FI
説明
件数
A61B  5
診断のための測定または記録方法または機器;個体の識別
84
A61B  1
視覚または写真的検査による人体の窩部または管部の診断を行うための機器;そのための照明装置;内視鏡
53
A61B 17
手術用機器または方法 手術
51
A61B  8
超音波,音波または亜音波を用いることによる診断
46
A61B  6
放射線診断用機器,例.放射線治療と結合している装置
43
A61B 18
非機械的な形態のエネルギーを、身体へ、または身体から伝達する手術用機器、器具または方法
17
A61B 34
コンピュータ支援技術;手術での使用に特に適合したマニプレータまたはロボット
14
A61B  3
目の検査装置;目の診察機器
11
 
今回も、A61B5 「診断のための測定または記録方法または機器;個体の識別」の登録件数が最も多く、84件の登録がされており、次いでA61B1 「視覚または写真的検査による人体の窩部または管部の診断を行うための機器;そのための照明装置;内視鏡」(53件)、A61B 17 「手術用機器または方法 手術」(51件)、A61B8「超音波,音波または亜音波を用いることによる診断」(46件)、A61B6 放射線診断用機器(43件)、となっていました。若干の入れ替わりがあっても上位のFIに変更はないようです。
 
なお、抽出した公報の出願人の上位の内訳は下表のとおりとなっています。
出願人
件数
割合
オリンパス株式会社
44
11%
東芝メディカルシステムズ株式会社
33
8%
コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
31
8%
富士フイルム株式会社
17
4%
キヤノン株式会社
16
4%
株式会社日立製作所
12
3%
ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
9
2%
セイコーエプソン株式会社
8
2%
コニカミノルタ株式会社
6
1%
インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
6
1%
その他
221
55%
合計
403
 
 前回と同様、オリンパスの件数が多く、次いで東芝メディカル、フィリップスとなっています。10番目のインテュイティブ サージカル オペレーションズ,インコーポレイテッドは、手術ロボットで有名な「da Vinci」のメーカーです。
https://www.intuitivesurgical.com/jp/aboutdavinci.php
 
 近年、日本でも色々な病院で導入され、保険適用が認められる手術分野も広がっている「daVinci」ですが、実は歴史は意外と古く、日本の代理店であるインテュイティブサージカル合同会社のHPによれば、
――――――――――――
da Vinci サージカルシステムの原型は、1980年代の後半に、米国陸軍と旧スタンフォード研究所において開発されました。当初は、戦場での手術を遠隔で行うシステムの開発を目的として資金提供を受けていましたが、民間での応用を目指したのです。技術開発によって、低侵襲手術の手法が加速度的により広範な手技へと応用されていきました。
1995年、民間での応用をさらに推し進めるため、当社は設立され、1996年には最初のロボット支援下手術用サージョンコンソールを開発しました(図1)。1999年1月に、当社はda Vinci サージカルシステムを上市、2000年には、一般的な腹腔鏡下手術を適応とする初のロボット支援下手術システムとして、FDA(アメリカ食品医薬品局)により認可されました。
――――――――――――
とのことで、2000年にはFDAで医療機器としての承認がされているようです。
因みに、FDAのデータベースで、申請者:Intuitive Surgicalとして検索してみると、1997年7月31日に、
https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfpmn/pmn.cfm?ID=K965001
なる承認がありました。詳細まで調べていないので、現在のシステムとどの様な関係があるのかは不明ですが、いずれにしても随分と前から装置の開発が行われ、医療機器としての承認がされていた事が分かります。
(因みに日本での承認は2009年11月とのことです。(インテュイティブサージカル合同会社のHPより))
 
 という訳で今回は、A61B 34:コンピュータ支援技術;手術での使用に特に適合したマニプレータまたはロボットが付与されていた公報を抽出してみました。
 因みに、A61B34は、手術ロボットだけはなく手術のコンピュータ支援計画や、手術ナビゲーションの技術分野にも付与されるため、それらの技術の特許も含まれています。
 パナソニックIPマネジメント株式会社(特許第6251888号)とセイコーエプソン株式会社(特許第6252004号)がちょっと目を引いたので、少し調べてみました。
 特許第6251888号は、手術室等において医師等が患者に対して行う手術を、光感受性物質(インドシアニングリーンなど)を血液中に投与した患者に対して投影画像を用いて視覚的にサポートするシステムです。
 特許第6252004号は、多種多様な医療用装置の情報(心電図、心拍数計、血圧計、パルスオキシメーター、血糖値計、レントゲン、内視鏡などからの情報)を一元化すると共に、一元化されている情報から簡便に情報をフィルタリングして画像表示装置(ヘッドマウントディスプレイ)に表示する情報処理装置で、画像表示装置(ヘッドマウントディスプレイ)を装着した使用者の視界方向の画像に含まれていない医療用装置の情報を選択して表示する装置の様です。近年、各社ヘルスケア産業に参入しようとしており、また、パナソニック、エプソンはいずれも製造販売業を取得している企業ですがやはりちょっと意外な感じがしましたので、調べてみました。
 
 
出願日
登録
番号
登録日
公報
発行日
異議申
立期限
発明名称
出願人
要約
2016/
10/06
6257728
2017/
12/15
2018/
01/10
2018/
7/10
外科手術支援システム、外科手術支援システムの作動方法、情報処理プログラムおよび情報処理装置
丹治 敦
【課題】手術中において、生体内の骨の適切な配置の決定を支援すること。
【解決手段】2つに分かれた手術対象骨の一方である第1対象骨の3次元データを第1対象骨に固定される第1マーカの位置データと関連付けて記憶し、2つに分かれた手術対象骨の他方である第2対象骨の3次元データを第2対象骨に固定される第2マーカの位置データと関連付けて記憶し、第1対象骨と一部が重なり第1対象骨と第2対象骨との正常な位置関係の参照となる参照骨の3次元データを第1マーカの位置データと関連付けて記憶する記憶部と、少なくとも第1マーカおよび第2マーカと手術対象骨を内部に有する患部とを含む映像を撮像する撮像部と、記憶部に記憶されたデータを用いて、撮像された第1マーカと第2マーカとの相対位置の変化に応じて、第1対象骨、第1対象骨および第2対象骨の表示を変化させながら、撮像された患部を含む映像に重畳させて表示する表示部と、を備える。【
2014/
07/30
6250496
2017/
12/01
2017/
12/20
2018/
6/20
ロボット外科システム
ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ネブラスカ
【課題】ロボット装置および/または生体内装置に組込可能な要素など、様々な医療装置の要素に関する。
【解決手段】流体作動システム、駆動系作動システム、およびモータレス作動システムなど、様々な作動システムの実施形態を含む。医療装置が患者の体腔にアクセスすることを可能にし、装置の動作時に可逆的な剛性または安定性を提供する可逆的にロック可能なチューブを含む。他の実施形態は、比較的小型の構成を維持しつつ、軸方向の動作と回転動作の両方を行う医療装置のアーム機構、医療装置のウィンチ要素、医療装置の生体組織検査機構/ステープラ機構/クランプ機構、医療装置の焦点調節機構など、医療装置の様々な操作要素を含む。
2012/
06/27
6259757
2017/
12/15
2018/
01/10
2018/
7/10
コンピュータ支援手術の搭載器具追跡システム
ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ネブラスカ
器具上追跡システムを利用して、コンピュータ支援手術に関連する幾つかの改良形態が提供される。様々な改良形態は一般に、コンピュータ支援手術中に利用される方法及びそのような処置中に使用される装置の両方に関する。他の改良形態は、処置中に使用される器具の構造及びOTT装置を使用して器具をいかに制御することができるかに関する。さらに他の改良形態は、処置中にフィードバックを提供して、CASモードに応じて処理されるデータレート及びタイプを含め、処置の効率若しくは品質のいずれか、又はこれらの両方を向上させる方法に関する。
2015/
06/22
6251888
2017/
12/08
2017/
12/27
2018/
6/27
投影システム
パナソニックIPマネジメント株式会社
投影システムは、所定の波長の光により励起される光によって特定される被写体の特定領域を撮像する撮像部と、特定領域の画像を可視光にて投影する投影部と、特定領域の画像と特定領域の画像に付随する付随情報とを被写体に投影するように制御する制御部と、被写体に対する撮像部の光路と被写体に対する投影部の光路を一致させる光学部と、を備え、より使いやすい投影システムを提供できる。
2013/
07/16
6252004
2017/
12/08
2017/
12/27
2018/
6/27
情報処理装置、情報処理方法、および、情報処理システム
セイコーエプソン株式会社
【課題】多種多様な医療用装置の情報を一元化すると共に、一元化されている情報から簡便に情報をフィルタリングして、画像表示装置に表示させるための情報を生成する。
【解決手段】情報処理装置は、複数の医療用装置から取得された情報である複数の医療用装置情報を取得する取得部と、取得部により取得された複数の医療用装置情報の少なくとも一部を含む提示用情報を生成する生成部と、画像を表示する画像表示装置に対して、生成された提示用情報を出力する提供部とを備える。生成部は、少なくとも、画像表示装置の使用者による表示部の視認が困難な医療用装置により取得された医療用装置情報を含む提示用情報を生成する。
2014/
01/13
6251379
2017/
12/01
2017/
12/20
2018/
6/20
外科的位置決め回路
ジャイラス・エーシーエムアイ・インコーポレーテッド
外科的ロケータ回路は、外科的標的の後ろまたは隣りに磁気源のようなエミッタを配置して、エミッタに対する軸を識別するために回路を用い、外科的標的に対する軸または経路を定めることによって、腎結石のような外科的標的を識別する。各々が等距離、同一平面上に配置されたセンサの列は、エミッタまでの距離を示す信号を検出する。マグネトレジスタセンサは、磁場を発している磁気コイルまでの距離に応じた可変抵抗を生成する。同一平面上のセンサの各々からの等しい信号は、センサの中心の点を通り、平面と直交する軸上の位置どりを示している。固定素子および信号調整器は、センサの各々から受信した信号を増強して正規化し、複数のセンサ間のマグネト抵抗反応の微妙な相違を吸収する。
2016/
02/03
6251304
2017/
12/01
2017/
12/20
2018/
6/20
動作補償型手術器具システムおよび手術器具
ザ・ジョンズ・ホプキンス・ユニバーシティ
【課題】微細手術に使用できる改善された手術器具システムを提供する。
【解決手段】操作部と可動要素を含む手術器具と、操作部に対して軸方法に動作可能なように可動要素を操作部に接続する駆動部と、可動要素の最先端から予め定められた距離隔たった位置に先端を有し、可動要素に取り付けられる光ファイバを含む光学的検出装置とを含み、光学検出装置は、手術中の対象に対する可動要素の最先端の位置を決定するための信号を出力する。【
2013/
07/02
6255394
2017/
12/08
2017/
12/27
2018/
6/27
適応的な画像によりガイドされた介入のための方法及びシステム
コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
医療介入中にイメージングデータを生成する方法及びシステムが提供される。外部光センサが患者の体に付着され、参照ポイントに対する外部光センサの向きを測定するよう構成される少なくとも1つの外部オリエンテーションファイバコアを有する。外部光センサは、医療介入中に外部センサ向き情報を生成するため監視される。当該情報は、医療介入中に表示される外部光センサの向きを推定するのに用いられる。
2012/
10/19
6251681
2017/
12/01
2017/
12/20
2018/
6/20
血管ツリー画像の内視鏡的位置合わせ
コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
画像位置合わせシステムは、内視鏡(12)及び内視鏡コントローラ(22)を備える。動作中において、内視鏡(12)は、解剖学的領域内の血管ツリー(例えば、動脈ツリー又は静脈ツリー)の術中内視鏡画像(14)を生成し、内視鏡コントローラ(22)は、血管ツリーの術中内視鏡画像(14)を、解剖学的領域内の血管ツリーの術前3次元画像(44)と画像位置合わせする。画像位置合わせすることは、血管ツリーの術中内視鏡画像(14)内における血管ツリーの各分岐部のグラフィック表現を、血管ツリーの術前3次元画像(44)内における血管ツリーの各分岐部のグラフィック表現と画像マッチングすることを含む。
2013/
08/14
6255403
2017/
2/08
2017/
12/27
2018/
6/27
関節推定及び制御におけるファントム自由度
インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
手術システムを操作するための方法、装置、及びシステムが提供される。方法によれば、手術用器具の位置を測定するステップであって、手術用器具は、複数の関節及び第1数の自由度を有する機械アセンブリに含まれており、手術用器具の位置は、手術用器具の第2数の自由度のそれぞれについて測定される、測定するステップを含む。この方法は、各関節の位置を推定するステップであって、各関節の位置を推定するステップは、測定位置を機械アセンブリの少なくとも1つの運動学モデルに適用するステップであって、運動学モデルは、第1数の自由度よりも多い第3数の自由度を有する、推定するステップをさらに含む。この方法は、関節の推定位置に基づいて、機械アセンブリを制御するステップをさらに含む。
2013/
08/14
6255402
2017/
12/08
2017/
12/27
2018/
6/27
手術システムの動きを操作するためのファントム自由度
インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
患者の開口部を通して低侵襲性手術を行うための方法、装置、及びシステムが提供される。方法によれば、パラメータが、外科医に関連する入力装置から受け取られ、このパラメータは、開口部を通して向き合せされた手術用器具のエンドエフェクタの所望の状態を示す。手術用器具は、第1セットの関節を有する機械アセンブリに含まれる。次に、受け取ったパラメータを使用して、関節の第2セットを制御するための指令を計算することによって、機械アセンブリを制御するための指令を計算する。第2セットの関節は、第1セットの関節と追加の関節とを含んでおり、追加の関節は、機械的アセンブリに存在していない。次に、機械アセンブリは、計算された指令に基づいて、所望の状態に向けてエンドエフェクタを移動させるように駆動する。
2013/
08/14
6255401
2017/
12/08
2017/
12/27
2018/
6/27
機械本体の動きを操作するためのファントム自由度
インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
機械本体の動きを制御するための方法、装置、及びシステムが提供される。方法によれば、機械本体の所望の動きを同定するような所望の動き情報が受け取られ、この機械本体は、第1数の自由度を有する。続いて、複数の指令が、受け取った所望の動き情報を運動学モデルに適用することによって生成され、運動学モデルは、第1数の自由度よりも大きい第2数の自由度を有する。各指令は、第2数の自由度のうちの対応する1つを制御するように構成されている。続いて、複数の指令のサブセットは、機械本体の第1数の自由度を制御するのに使用するために送信される。
2013/
08/15
6250673
2017
/12/01
2017/
12/20
2018/
6/20
手動でのロボットアームの運動によって制御される可動な手術用装着プラットフォーム
インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
システムの使用準備を容易にするように構成された、運動学的リンク機構構造及び関連する制御システムを含む、ロボット及び/又は手術用の装置、システム及び方法。一つ以上の運動学的リンク機構サブシステムは、能動的に駆動される、受動的な、又は両方の混合である複数の関節を含んでもよく、一つ以上の関節が運動学的チェーンの一つ以上の他の関節の手動での関節動作に応じて能動的に駆動されるセットアップモードを利用してもよい。一つの例示的な実施形態において、能動的に駆動される関節は、マニピュレータのうちの一つの動作に応じて、複数のマニピュレータを支持するプラットフォーム構造を動かすことができ、それら複数のマニピュレータを一つのユニットとして、作業空間とのアライメントに向けて動かすことによって、全システムの配列を容易にし、促進させる。手動での独立したマニピュレータの配置は、プラットフォームに対してマニピュレータを支持する受動的なセットアップ関節システムを通じて提供され得る。
2013/
02/15
6250566
2017/
12/01
2017/
12/20
2018/
6/20
モードを区別する操作動作を用いたロボットシステム操作モードの使用者選択
インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
使用者によって選択可能な複数の操作モードを有するロボットシステム。複数の選択モードの一つを選択するために、使用者は、使用者が選択可能な複数の操作モードの中から一つの所望の操作モードを一意的に特定する、区別する動作を行う。ロボットシステム内のプロセッサによって実行される方法は、その区別する動作を特定し、使用者が選択した操作モードにロボットシステムを置く。
 
 
※ 平成27年4月1日より平成26年改正法が施行され、特許掲載公報発行の日から6ヶ月以内に特許異議申立をすることが可能です(平成27年4月1日以降に発行された公報が対象)。
※ 登録異議申立は誰でもすることが可能です。(なお、名古屋国際特許業務法人では、登録異議申立のための調査、登録異議申立の手続をお引き受けしております。ご関心のある方はyamakoshi@patent.gr.jpまでご連絡ください。)

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プロフィール

山越 淳

Author:山越 淳
弁理士&行政書士であって医療機器の薬事業務の経験もある筆者が、主に医療機器の知財及び医薬品医療機器等法の情報などを提供します。
なお、タイトルの”薬事”ですが、実は法改正されて現在の法律の名称は、医薬品医療機器等法(正確には医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)です。
あまりに長くて、馴染みもあまりないので”薬事”としています。

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