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医療機器分野の特許取得の状況について(5月~6月)

医療機器分野の特許取得の状況について(5月~6月)
5月~6月に発行された特許公報(2018年5月11日~2018年6月12日の期間に発行された公報)を調べてみました(2018年6月12日時点)。
医療機器分野の特許公報(FIがA61Bの特許公報)は526でした。
筆頭FIがA61Bの内訳(上位9位)は以下の様になっています。
 
FI
説明
件数
A61B 5
診断のための測定または記録方法または機器;個体の識別
110
A61B 17
手術用機器または方法 手術
83
A61B 6
放射線診断用機器,例.放射線治療と結合している装置
64
A61B 1
視覚または写真的検査による人体の窩部または管部の診断を行うための機器;そのための照明装置;内視鏡
52
A61B 8
超音波,音波または亜音波を用いることによる診断
49
A61B 18
非機械的な形態のエネルギーを、身体へ、または身体から伝達する手術用機器、器具または方法
22
A61B 3
目の検査装置;目の診察機器
14
A61B 10
他の診断法または診断機器
11
G08G 1
道路上の車両に対する交通制御システム
10
 
今回も、A61B5 「診断のための測定または記録方法または機器;個体の識別」の登録件数が最も多く、110件の登録がされており、次いでA61B 17 「手術用機器または方法 手術」83件、続いてA61B6 「放射線診断用機器」64件)、A61B1 「視覚または写真的検査による人体の窩部または管部の診断を行うための機器;そのための照明装置;内視鏡」52件)、A61B8「超音波,音波または亜音波を用いることによる診断」49件)となっていました。
 
また、上位の特許権者の内訳は下表のとおりとなっています。
 
出願人
件数
割合
オリンパス株式会社
44
8%
キヤノンメディカルシステムズ株式会社
40
8%
コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
33
6%
キヤノン株式会社
22
4%
エシコン・エンド-サージェリィ・インコーポレイテッド
20
4%
富士フイルム株式会社
17
3%
株式会社日立製作所
12
2%
コニカミノルタ株式会社
10
2%
セイコーエプソン株式会社
8
2%
コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
7
1%
その他
313
60%
合計
526
 
 
 今回、G08G 1(道路上の車両に対する交通制御システム)が筆頭FIとなっている公報が10件ありました。いずれも収集した人体の生理学的な信号を車両の制御等に用いる発明であるため、FIとしてA61BおよびG08G 1が付与されている様です。
 近年、自動運転技術の進展をはじめ、高齢者による自動車運転事故の問題などから、運転者の生体情報を自動車の制御に用いるような技術の開発が行われており、それらの技術について特許が取られています。
なお、マツダ株式会社や株式会社デンソーはJSTのセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラム の参画機関でもあり、それらの活動ともある程度関係があるのではないかと思われます。
 
 


 これらの特許を少し確認してみると、特許第6338701号(フラウンホーファー)は収集した目のエリアの画像から瞬間的な眠りを検出する技術に関する発明、特許第6331945号(株式会社デンソー)は、車両の走行状況または車両の走行環境や運転者の反応時間または反応の有無といった情報から運転者の心理状態を推定する技術に関する発明、特許第6324262号(三菱電機株式会社)は、車両の現在位置情報、地図情報、車両センサからの情報、及び運転者の生体情報から運転者が漫然運転をしているか否かを判定する安全運転支援システムに関する発明のようです。
また、マツダ株式会社の特許がいくつかありますが、特許第6332838号は、運転者の状態(運転者の集中度を三段階で判定)、走行環境に基づいて運転支援内容を決定する運転支援装置に関する発明、特許第6330842号は、自動運転が解除された際に、運転者の運転負担がいきなり大きくなってしまう事態を防止するため、自動運転が解除されることが予測されたときに、運転者の内的集中度合いが低いときは、運転支援を行う運転支援装置に関する発明、特許第6323512号は、運転者の重心位置の変化を検出し、走行中の動きの変化に対する重心位置の変化に基づいて運転者の体の判定を行う運転者体調検知装置の発明、特許第6323511号は車両の走行中の動きの変化に対する運転者の動きの変化の追従度合を算出して運転者の体調異常を判定する運転者体調検知装置に関する発明、特許第6323510号は走行中の動きの変化に対する運転者の頭部の動きの変化(頭部の加速度)から運転者の体調異常を判定する運転者体調検知装置に関する発明の様です。いずれも医療とは異なる分野ですが、以前からどのような技術が出願されているのか気になっていたため確認してみました。
 
 
出願日
登録番号
登録日
公報発行日
異議申立期限
発明名称
出願人
要約
2015/
03/27
6338701
2018/
05/18
2018/
06/06
2018/
12/6
瞬間的な眠りを検出するデバイス、方法およびコンピュータプログラム
フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン,テヒニッシェ ウニフェルジテート イルメナウ
瞬間的な眠りを検出するデバイス(5)が示される。デバイスは、被検体(15)および当該被検体(15)の目のエリアのビデオ式のモニタリング用のビデオ記録デバイス(10)であって、被検体(15)および目のエリアの一連の写真を記録するとともに、一連の写真をしきい値決定デバイス(20)に出力するように構成されてたビデオ記録デバイス(10)を備える。しきい値決定デバイス(20)は、被検体(15)に個々に適合される1個または複数個のしきい値(80、85)を一連の写真から求めるように構成されている。さらに、デバイス(5)は、1個または複数個の個々に適合されるしきい値(80、85)に基づいて、被検体(15)が瞬間的に眠りに落ちたか否かを判定するように構成されているしきい値評価器(25)を含み、1個または複数個の個々に適合されるしきい値(80、85)は、目の開きの実際の時間曲線内でしきい値(80、85)を通過したか否かによって被検体が瞬間的に眠りに落ちたか否かを確立するために使用される。
2016/
02/15
6332838
2018/
05/11
2018/
05/30
2018/
11/30
運転支援装置
マツダ株式会社
【課題】集中度が高すぎて(緊張感が高すぎて)余裕が無い状態から集中及び余裕の程度がそれぞれ中等度である状態へと運転者が移行することを促すような、及び/または、集中度が落ちすぎて(緊張感が無さすぎて)余裕があり過ぎる状態から集中及び余裕の程度がそれぞれ中等度である状態へと運転者が移行することを促すような、運転支援装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、運転者の状態を判定する運転者状態判定装置と、走行環境を判定する走行環境判定装置と、前記運転者状態判定装置によって判定された運転者状態と、前記走行環境判定装置によって判定された走行環境と、に基づいて運転支援内容を決定する支援内容決定部と、前記支援内容決定部によって決定された運転支援内容を運転者に提供する支援本体部と、を備えたことを特徴とする運転支援装置である。
2014/
10/07
6331945
2018/
05/11
2018/
05/30
2018/
11/30
心理状態推定装置および心理状態推定方法
株式会社デンソー
【課題】運転者の心理状態の推定精度を高めることを可能にする装置を提供する。
【解決手段】心理状態を推定するための心理状態推定情報を検出し、心理状態推定情報を心理状態に対応付ける方法が記述された対応関係に従って、検出された心理状態推定情報から心理状態を推定する。また、心理状態が運転者の反応時間または反応の有無に現れる検出契機の発生に伴い、運転者の反応時間または反応の有無を検出して、その検出結果を心理状態の推定に反映させる。このように、対応関係に従って心理状態推定情報から心理状態を推定するだけではなく、実際の運転者の反応を反映させることで、個々の運転者に合わせた心理状態の推定が可能となるので、心理状態の推定精度を高めることができる。
2016/
03/31
6330842
2018/
05/11
2018/
05/30
2018/
11/30
運転支援装置
マツダ株式会社
【課題】自動運転が解除される際に、運転者の運転負担が急激に過大にならないようにする。
【解決手段】自動運転の解除が予測された際に、運転者の運転に対する内的集中度合いが低いと推定されたときは、運転に対する内的集中を高めるための運転支援が実行される。上記運転支援としては、例えば、車室内で感じる車両の走行音を強調したり、運転操作に応じた車両の状態変化の感度を高めたり、走行して楽しいと感じる道路特徴を有する道路へ誘導案内したり、模範となる運転操作の案内を行う等がある。
2014/
03/26
6330411
2018/
05/11
2018/
05/30
2018/
11/30
情報呈示装置及び情報呈示方法
日産自動車株式会社
【課題】運転者が自動運転制御から手動運転制御へ引き継ぎ可能な状態であることを確認する。
【解決手段】本発明の情報呈示装置1は、自動運転制御と手動運転制御とを切り換え可能な自動走行車両に用いるものであって、運転者が自動運転制御から手動運転制御へ引き継ぎ可能な状態であることを確認するための運転者による視認行為を決定する視認行為決定部7と、決定された視認行為を運転者に実行させるための制御を行う視認行為制御部9と、運転者によって実行された視認行為を検出する運転者解析部3とを備える。
2013/
11/08
6325234
2018/
04/20
2018/
05/16
2018/
11/16
減速タイミング通知装置
公立大学法人広島市立大学
【課題】停止まで減速させるのに必要な制動距離を車速と血圧変動モデルから予測し、遅れることなくブレーキタイミングを通知する減速タイミング通知装置を提供する。
【解決手段】GPS情報から得られる車両の走行速度と、走行車両の停車地点又は徐行開始地点等速度変更地点における目標速度と、予め設定された血圧変動許容値とから、血圧変動許容値を超えずに減速できる制動距離を算出する制動距離算出手段と、該前記制動距離算出手段により算出される制動距離に、GPS情報から得られる車両の走行速度に基づいて決定される距離を加算した距離を算出する通知距離算出手段と、該通知距離算出手段による通知距離情報と、GPS情報及び地図情報から走行車両の停車地点又は徐行開始地点等速度変更地点までの距離に基づいて、走行車両の運転手に減速開始を通知する通知手段と、を備えてなる。
2014/
08/22
6324262
2018/
04/20
2018/
05/16
2018/
11/16
安全運転支援システム
三菱電機株式会社
【課題】不必要な注意喚起の発令を抑えつつ、必要な注意喚起を適切なタイミングで発令する。
【解決手段】運転認知行動推定部13は、現在位置情報と地図情報と車両センサ情報とに基づいて、運転者2による運転行動と、運転行動を行うために運転者2による認知が遅くとも開始されるべき認知タイミングとを推定する。生体センサ情報取得部14は運転者2の生体センサ情報を取得する。運転者状態推定部15は、生体センサ情報取得部14によって取得された生体センサ情報を用いて運転者2の状態を推定することにより運転者状態推定情報を出力する。漫然運転判定部16は、運転認知行動推定部13によって推定された認知タイミングよりも前の判定開始タイミングから認知タイミングまでの判定区間における運転者状態推定情報に基づいて、運転者2が漫然運転をしているか否かを判定する。
2016/
08/26
6323512
2018/
04/20
2018/
05/16
2018/
11/16
運転者体調検知装置及び方法
マツダ株式会社
【課題】異常状態が進行する前の早い段階で、運転者の体調の異常を検出する。
【解決手段】車両を運転する運転者の体調を検知する運転者体調検知装置であって、車両の走行中の動きの変化を検出する車両検出部と、運転者の重心位置の変化を検出する運転者検出部と、走行中の動きの変化に対する重心位置の変化に基づき、運転者の体調が異常であるか否かの判定処理を実行する体調判定部と、を備えるものである。
2016/
08/26
6323511
2018/
04/20
2018/
05/16
2018/
11/16
運転者体調検知装置及び方法
マツダ株式会社
【課題】異常状態が進行する前の早い段階で、運転者の体調の異常を検出する。
【解決手段】車両を運転する運転者の体調を検知する運転者体調検知装置であって、車両の走行中の動きの変化を検出する車両検出部と、運転者の動きの変化を検出する運転者検出部と、走行中の動きの変化に対する運転者の動きの変化の追従度合を算出する演算部と、追従度合に基づき、運転者の体調が異常であるか否かの判定処理を実行する体調判定部と、を備える。
2016/
08/26
6323510
2018/
04/20
2018/
05/16
2018/
11/16
運転者体調検知装置及び方法
マツダ株式会社
【課題】異常状態が進行する前の早い段階で、運転者の体調の異常を検出する。
【解決手段】車両を運転する運転者の体調を検知する運転者体調検知装置であって、車両の走行中の動きの変化を検出する車両検出部と、運転者の頭部の動きの変化を検出する運転者検出部と、走行中の動きの変化に対する頭部の動きの変化に基づき、運転者の体調が異常であるか否かの判定処理を実行する体調判定部と、を備える。
 
 
※ 平成27年4月1日より平成26年改正法が施行され、特許掲載公報発行の日から6ヶ月以内に特許異議申立をすることが可能です(平成27年4月1日以降に発行された公報が対象)。
※ 登録異議申立は誰でもすることが可能です。(なお、名古屋国際特許業務法人では、登録異議申立のための調査、登録異議申立の手続をお引き受けしております。ご関心のある方はyamakoshi@patent.gr.jpまでご連絡ください。) 

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プロフィール

山越 淳

Author:山越 淳
弁理士&行政書士であって医療機器の薬事業務の経験もある筆者が、主に医療機器の知財及び医薬品医療機器等法の情報などを提供します。
なお、タイトルの”薬事”ですが、実は法改正されて現在の法律の名称は、医薬品医療機器等法(正確には医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)です。
あまりに長くて、馴染みもあまりないので”薬事”としています。

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